せっかくうまくいっていたのに! せっかくここまで来たのに! 先遣隊がうまくいったのに…。好事魔多し。上陸を準備していた本部隊は全滅しました。
|
折り重なって眠る長男たち。もう誰も動かない。
|
朝起きたらもうみんな動かなくなっていた。あわてて水槽から引き上げたがもうどうしようもない。どんなに呼んでも帰ってこない。今までの事がまた走馬燈のように甦る。あの日からの今までの日々は何だったのか。この子たちは何のために生まれてきたのか…。
冷静になって考えてみる。水質は問題ない。水温あわせもそれほど問題になるとは思えない。先遣隊ではOKだったんだし。じゃあ何で全滅? 前と違うことと言えば人数が多くなったことぐらい…。
ここで気づいた。たぶん酸素不足。エアレーションは入れていなかった。前回は15人程度。それに比べて今回は80人の大部隊。1リットルの容器が2リットルになろうが関係なく酸素不足に陥ったのだろう。完全な人間の落ち度だ。
エビが酸素不足に弱いのは知っていたはずなのに、浮かれて気づかなかった。指揮官のミスで部隊全滅。悔しさと申し訳なさでいっぱい。
ぴよ観察員から先遣隊の15人が無事還ったのだから全滅じゃないと言われて気を取り直す。悲しいけれど、最初に覚悟は決めたはずだし。今までの事は次男三男に生かせば無駄にはならないと思いたい。と言うわけでコレが生きている時の最後の一枚。

さよなら。…ウワァァァン!
何も知らない次男たちは、長男から譲り受けた容器の中で元気いっぱい。三男も元気いっぱい。底にゴミが溜まってきた。元気に育ってね。
|