2 1 日目

夕方5時。お決まりの赤ちゃん移動のあと、汽水の入れ替え。捨てる水のほうに入ってしまう赤ちゃんをスポイトで戻す際、小さなルーペでのぞいてみた。水面の上からのぞくと、今までとはちょっと違った形に見える。ちゃんと目も2つあるのがわかる。それに透明だった体が、ほんのり赤みを帯びてきているように見える。今まで線にしか見えなかったシッポも心なしかエビっぽさが出てきたような気がする。

ルーペを使ってスケッチ ルーペでのぞいた状態をスケッチ。絵が二つあるのは例のごとく、2人でスケッチしたから。大きさは1〜2mmってところか?

2つある汽水PET容器の赤ちゃんは、どちら側も数に大きな変化は見られない。それほどお亡くなりにはなっていない様子。ほとんどの場合、容器の1カ所に集団でじっとしている。ただエサを入れると追いかけるような動きを見せる子もいた。1日数回、スプーンでグルグル〜っと水をかき混ぜる。赤ちゃんたちもグルグル〜っと回る。当たり前だ。

 
 
2 2 日目

朝は忙しくて作業できず。夜8時に作業開始。よ〜く見比べてみると、どうも水温管理していない荒海側の赤ちゃんのほうが、ヒーターを入れている本命側の赤ちゃんよりも、体つきが一回り大きくなっている気がする。同じ容器内でも個体差があるので断言は出来ないが。

新しく汽水を用意する。今回も汲み置き水が無いので「南アルプス天然水」で作った。その汽水で本命側は1/3を、荒海側に至っては1/2を一気に取り替える。たぶん平気でしょう(根拠無し)。そしてスポイトで容器底のゴミ取り。

産院から汽水へ赤ちゃんを移す作業をするが、何か朝に見た時よりも赤ちゃんの数が減っている気がする。その後産院の水も水槽内の水で1/4を取り替え。しかしお母さんのお腹にはまだ卵がたくさん残っている。

エビのお母さん近影 相変わらず、暴れ回る日々のお母さん。もしかして逃走するときのために体力をつけようと、筋トレをしているのかも。しかしお腹の卵、まだ?
 
 
2 3 日目

やっぱり荒海側のほうが大きくなっている気がする。かなりの子がエサをあげると寄ってくるようになった。と言ってもその動きはおぼつかないが。今日も汽水を入れ替える。本命側1/3、荒海側1/2が入れ替わった。

相変わらず、古い汽水を捨てるときに赤ちゃんが混じってしまう。それを捜し、スポイトで戻すのが結構大変な作業だ。特に寄り目になるのが疲れる。

汽水の中の赤ちゃんたちは順調に育っているのか、かえった直後よりはだいぶ大きくなった。でも産院のお母さんはまだたくさんの卵を抱えている。これからかえる赤ちゃんたちとは随分差がついた。そろそろもう一つの汽水容器を準備する方がいいのかも知れない。

今日のエビのお母さん ちょっと、いい加減にここから出しなさいよ! 飽きちゃったわよ!
 
 
2 4 日目

朝9時、ついにお母さんが卵をばらまいた。ただ全部ではなく、まだいくらかお腹に抱えている。作業する時間がないので、やむを得ずエアを強め、水が今までより循環するようにしておいた。

ついに卵をばらまいたお母さん。ただ全部ではなく、まだお腹にのこっている。写真右上にはかえった赤ちゃんがとても小さく写っている(白いゴミのようなもの)。

夜8時20分、産院のエアを切り状況を確認。スゴい数がかえっている。いたるところでピコピコしている。数が多いので、スポイトでチマチマと吸う気がなかなか起きない。そこで2リットルのペットボトルで3つ目の汽水PET容器を準備し、水ごと移すことにした。でもちょっと待てよ。赤ちゃんをスポイトで吸わず移すためには、産院の水ごと汽水PET容器に移すしかない。でもいつも通りの方法で濃度70%で作った汽水に、現状の産院内の水(=淡水)を全部(目分量で約500cc)足したらかなり薄まってしまうはず。それは困る。

そこで本来なら1リットルに入れるべき“海水の素”24gを、約500ccの水に溶かす。これに産院の水を足し、ちょうど1リットルになれば約70%になるだろう。そう思って実行したが、産院内の水は500cc以上あった。構わずそれを全部入れたので、汽水の量は1リットルをゆうに超え、濃度は70%よりかなり低くなったはず。濃度を上げるため、スプーンで適当に“海水の素”を直接放り込んだ(←なんてやり方だ)。水の無くなった産院には、新たに水槽から水を足しておいた。

一段落したところでエサやり。巨大なカタマリが入ってしまった…。忘れることにする。今回移動した赤ちゃんたちはほとんど生まれたてのはずなのに、これまで見た「かえった直後の赤ちゃん」よりずっと大きな感じを受ける。何はともあれ今日から汽水PET容器は3つとなった。

 

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